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社会経験も無いヒキコモリが異世界でどうこうしようって無理っすわ。何かを極める系のヒキコモリニートじゃなかったし。なんでも広く浅く楽しんでましたよ。
他に特別な能力付与は無し。虚弱体質は変わらず、体もあまり成長せず。唯一と言える転生ボーナスの前世の記憶だって二十歳過ぎればタダの人。
ネットや本で培った知識はそりゃ役に立つこともありましたが所詮は凡人の凡人による付け焼刃。
それを自覚していたので赤ん坊の頃からせいぜいは「脳みその成長ちょっと早い?かな?」程度で周りに怪しまれない程度に調整し健やかに成長してきました。
意外とそれもストレスだったんですけどね。
現世でも病弱だった上に、現世では家がそこそこ金持ちだったので病弱を理由に学校には通わず家ではひたすら読書と魔術の勉強をし、騎士団の副団長である兄のコネで非常勤魔術師となったもののいつまでも働きもせず、かと言って男の影も当然の如く無く、一日中家に居る私に真面目一辺倒の父と母は
「引きこもってないで御見合いしなさい! もしくは仕事しなさい!」
と詰め寄ってきたので
「やだ! 無理! 面倒臭い! 結婚なんて死んでも嫌! 一歩も外に出たくないでござる!」
と両親・兄・妹の前で叫んだところ父親がブチ切れ、寒空の下家を追い出された私を哀れに思ったのであろう優しい十歳年上の兄。
かねてからこういった事態を予見し用意していたという町から歩いて十分程の森近くの一軒家に住みついた次第です。
ちなみに兄も一緒に住む、と言い張ったそうだが両親と妹が必死に留め事なきを得ました。
嫌だよ、おはようからおやすみまで実の兄に見つめられる生活なんて。
百獣の王にでも任せておけ、そんなことは。
街の中心から結構離れて居て、周囲は畑ばかりで他の家は有りませんでしたが、家の中は……
スゲーよロフトあるよ! 地下室あるよ! 何かをひたすら練る練る練るね的魔女ごっこ出来るよ! しないけど! とちょっと感動しました。
家を追い出されたのは痛いですが、十分勝つる! ニートライフ可能! お兄ちゃん大好きマジで! 激甘なシスコンお兄ちゃん大好き!
妹は十歳下。花も恥じらう十五歳。昔から小うるさい子ですが可愛い。滅茶苦茶可愛い。可愛いのですが、何か常に私に対しては当たりが強いんです。
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