優しき魔女 「押し売りは駄目! 絶対!」

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「おい!何勝手に物食わせてんだよゴルァ!?ああ!?」  この世界では、奴隷を最下層とした身分制度が有ります。  王族・貴族・騎士&文官・一般市民(商人・農民等)・奴隷、と大きく分けてよくあるパターン。現実的ではないが王族が奴隷まで堕ちるのも可能だが、成り上がるのは貴族までは可能。あと、一部手続きをちゃんと踏めば奴隷も市民になることも出来ます。  私の父親は男爵。若い頃に王族とどうこうで助けたんだかなんだかの功績により一代限りの爵位を貰ったらしいです。父はその事を事有るごとに自慢してますが、完全スルー。むしろ年金生活嫉ましい。  兄は爵位は無いですが魔術も扱え剣術もなかなからしく騎士団配属、地方領である地元の御巡りさん的存在です。  兄に言わせると 「まぁ………騎士って言っても俺の場合は単なる便利屋だわな」  ということらしいですが、上司にも部下にも好かれ、町の人々にも笑顔で接するので懸想する婦女子が絶えません。兄は誠実ですが、ケダモノ気質もあるおっぱい星人のため、アホな女によく捕まるのが難点です。  肉塊が好きとかってどんだけ肉食系なんだよ。気持ちは解るけど。  話が逸れました。奴隷の説明を軽く。  所有者によって呼び方が代わります。  大きく分けて四つの呼び方が有ります。  『国奴』は一斑には国が直接管理する奴隷を言いますが、全ての奴隷がこれに属します。というのもあくまで奴隷とは国の所有物であり、それを飼い主に貸し与えているだけ、という考えからです。  『商奴』は商品として置かれている、生かされている、流通段階の奴隷で『一般奴隷』は、個人や組織に所有されている状態の奴隷全般を指します。飼い主が決まっている奴隷は全て一般奴隷となります。  最後に『犯罪奴隷』ですが、文字通り、犯罪者として禁固刑にも罰金刑にも死刑にもならなかった奴隷。どうせ殺すなら使えるものは死ぬまで使おう、という事でしょう。余程酷いのは死刑らしいですが、そこまでではない重犯罪者は炭鉱など過酷な環境で死ぬまで働かせられます。エコだね。  で。 「い、いえ、あ、う、あ」
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