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という訳で、死なれては困るため、水路から上がり両手で体を庇うように震えている少女のまだ濡れている冷たい頭に手を置き
「風踊」
「ヒッ!?」
簡易的な風の魔術で全身を乾燥させる。対象の周りに風を巻き起こすだけの魔術。旋風の中心に身を置くイメージです。二、三分で大体乾燥します。水滴が気化すればむしろ余計寒いでしょうけどね、濡れネズミよりマシでしょう。
何が起こったのか理解出来なかった様子の奴隷少女は呆然としていました。
私は構わず荷物を持ち、
「こっち。ほれ、歩け」
と少女の首を引っ張って我が家に帰りついた訳です。その間も少女はパンを大事そうに抱え時折齧っていました。
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