優しき魔女 「さぁ、楽しい晩酌だ!!」

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 我が家に到着。  我が家は兄の所有物で木造、というか見た目ログハウス。ナチュラルなハウスです。隙間風は殆どないものの、見た目は非常に悪い。蔦が家の外側に巻きつき放題です。まぁ、中が快適であれば良いんです。外なんざ飾りです。  入り口すぐ右側壁沿いに四畳ほどの炊事場。カマドと水道が設置されています。外側に雨水を貯める濾過設備を設置しており飲めないことは有りません。美味しくはないですが家のすぐ外に井戸があるので飲み水としてはそっちの方が美味しいです。  内部の広さは約二十畳程度。ロフト部分はその三割程。  この家の一番素敵なところは『お兄ちゃんの所有物なので家賃が掛からないこと!』なんですけどね。自分の食い扶持さえ稼げれば一先ず生きていけるのです。  私に連れてこられた奴隷少女。彼女は戸惑いつつもこちらの様子を怯えた目で伺っています。 「悪いけど縛るよ」  そんなに悪いと思ってはいませんでしたけどね。変な行動取られても怖いので。格闘したらさすがにこの少女には『かろうじて』勝てるかとは思いますが何か武器を持たれたら危険です。  何? 幼女に何言ってんだって?  魔術師と言っても、私は非力な女。世界最弱の二十五歳を自負しております。身長は低く、よく子供に間違われます。そして痩せ型、というかガリです。そんな私ですからね、下手したら十歳程度の子供にだって瞬殺されますよ。 「ぅッ」  私の手が触れると一瞬だけ震える少女。両手を後ろ手に、鬱血しない程度に、しかし解けないように片結びで縛る。さらに首輪に付いた縄を調整し私のベッドとは反対側の柱に結わえます。  ふむ。これで一先ず大丈夫でしょうかね。少しだけ動けるようにしてあります。そうしないと寝転がれませんからね。さすがに寝るときまで座った状態は辛いでしょう。 「無駄に騒いだら殴るよ?良いね?」  さすがに殴っても自分の手が痛いわ疲れるわ、だけなのでしませんよ。恐怖で震えながらも頷く少女。いや、奴隷。
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