優しき魔女 「お役所仕事は異世界だろうと共通らしい」

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 えー、前世でも私には兄が居ました。妹は居ませんでした。兄は5つ上、こちらも頼れるナイスガイのシスコンでした。でも何故かやっぱり巨乳好きでした。ケダモノめ気持ちは解るけど。  で、ある日の兄との世間話で、 「今日、免許の更新の時になぁ」 「うんうん」 「おい、俺の純米吟醸ラッパ飲みすんな!? お前女だろうが!?」 「失礼な。で、更新出来たの?」 「…………はぁ。まぁ、特に何も悪くなければ更新は出来るよ」 「へー。何かあったの?」 「あぁ、交通安○協会っていうのがあってな?更新の窓口で入りませんか?って聞かれるんだけど」 「ほうほう」 「会費掛かるんだよ」 「何か入ると良いことあんの?」 「微妙な店とか施設で割引とか。一生使わないよってパターンでな? あとは交通安全の布教活動とかやってるらしいんだけど、要はK察の外郭団体みたいなもんだ」 「へー。まぁ、そういうのもあるだろうねぇ。でも入らない?って聞かれたんなら断れば良いんでしょ?」 「勿論。だが、入らないと窓口の数が少ない方に並ばなきゃならないんだ。で、入った人はすいすい手続きが出来る、と」 「…………えーと?」 「公共の施設でだぜ? 五百円とは言え露骨過ぎるよなぁ?」  その時は、お布施みたいなもんか、と笑ってたのです。そして、その次の日、兄は両親と共に事故で他界し、私はその後数年に渡り、単なるヒキコモリニートから親類縁者すら居ない孤独で陰鬱なヒキコモリニーテストにクラスチェンジしました。
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