優しき魔女 「お役所仕事は異世界だろうと共通らしい」

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 さて。現世は前世より露骨でした。 「奴隷の登録証書、貰いに来たんですけど」  奴隷少女を連れて、役場に来た私。昼に起きたので奴隷少女に餌を与えて私は私で迎え酒!英語で言えばWelcomDrink! 天気が良かったのでワインにしました。貧乏人なので水で薄めてますけどね。  ぶどうが良く取れる地域でもあるので、下手するとエールビールよりも安く手に入りますのでもっぱら私はワインを飲んで生きてます。食べるの得意じゃないんですよ。 「うわ、酒臭いなあんた! ガキのくせに!!」  余計なお世話だ。そもそもこれでも成人なんですけどね。ちなみに飲酒における年齢制限はこの国では御座いません。私の現世でのお酒デビューは四歳。普通はせいぜい早くても十歳くらいかららしいのですが、私は根性で貯蔵庫を開け、瓶を割ってワインをゲットしたのです。当時はこの子は天才だ!?と騒がれたもんですよ。 「すんません」  不快にさせたのは事実だろうから一応謝るのが筋でしょう。確かに昼間からお酒は勤め人には羨ましいでしょうからね! ニートはやっぱり最高ですね! 「あっちの窓口で番号札取って待ってな」 言われた通り、番号札を取って待つ。十二番。  役所に着いたのは午後二時くらいでしたでしょうか。  時計は高級品なので持ってません。持ってましたがすぐに売って父親に激怒されました。なんか由緒正しいものだったらしいです。えー、それ、私にくれるって言ったもんじゃないのーと思いつつ頭殴られました。あの爺いつか殺す。  兄が言うには父はその後町中を探し回り何とか取り戻したとのこと。その一件以来、父親からの風当たりがマヒャドった訳です。男のくせにネチネチと五月蝿いハゲですよ。  周囲には私と同じように奴隷の登録待ちの人達と奴隷、さらに冒険者らしい人達が合わせて二十人ほど居ました。奴隷関連および日雇い労働者向けのお仕事斡旋の窓口がある部署のようです。  広い部屋だったからか匂いはそれほど気になりません。奴隷って、基本的には凄い匂いなんです。イメージ的には前世でのホームレスさん強力版です。  奴隷の持ち主?使用人?が椅子に座り、奴隷は立ってるかしゃがんでいます。利用者の多くは壁際の掲示板を眺めたりしているようです。
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