エリカ 「私のお姉ちゃんはヒキコモリ」

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 怠惰で意地悪だけど、悪戯好きで面白い、変な妖精だ。 「なら、俺が変装してカップルのフリをしよう!」  アホな兄だ。顔は良いらしく、紳士的で賢く所属する騎士団でも副団長になるほどの実力者。さらに魔術まで使える。  普通の騎士は簡単な魔術を使える場合もあるが、実践的な魔術となるとまず居ない。  何故なら兄ほどの魔術の素養があれば、騎士団ではなく魔術師として生計を立てたほうが需要があるからだ。  しかし、それが故に騎士団で重宝されているとも言えるが……  結婚相手としては優良株なのだ。シスコンという事実が無ければ。  シスコン以外は全く理想的な男性らしいが、シスコンが故に恋人は出来ても長続きしない。  それはそうだろう。  2人きりになっても妹たちの自慢話をされたら溜まったものじゃない。私だったら怒って二度と視界に入れないだろう。 「え、じゃあ私は男装してエリーとカップルのフリする!というか恋人になる!!結婚しようエリー!!」  ……まぁ、仲が良い方だとは思いますけどね?  冗談とはいえ、姉は私をからかい過ぎだと思う。  たまに心配して1人暮らしをする姉に会いに行けば「エリー結婚しよう?」と抱きついてくるし。  愛されているのは解るが、放っておけなさすぎる姉はそれはそれで心配でもあるのだ。  姉は能力だけ見れば非常に優秀な人間だけに、非常に勿体無い。姉は、私の知る限り、体力・魔力総量は普通の魔術師以下だがそれを補って余るほど知識が豊富で多才、そして精神力が強い。要は図太いのだ。  姉自身は世界最弱の女、と自称しているが。  一度など、これでも学園で一番の魔力量、そして成績を誇る私にあろうことかいきなり何の準備も無しに「この器に水を入れてみな」と言った姉。  何も無いところから何の準備もなしに水を出す?  普通は魔石や魔方陣などの媒体を使い水の精霊に掛け合って「水そのもの」を召喚するのだ。  しかし姉が言うのだから、姉は出来るのだろう、と考えた。魔力総量が遥かに私よりも少ない姉が出来る。姉は出来ないことを出来るなどとは言わない。逆ならよく言うが。  方法が全くわからず、色々考えを巡らせた。結果、召喚に必要なのは要は餌だということに思い至る。それは古代の技術だ。むしろ御伽噺のレベルと言って良い。
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