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 困り果てたぼくは、助けを求めることにした。 少女に「少し待っててね」とだけ告げて外に出る。  寂れた交差点を抜けて商店街のほうへ歩いていく。次第に人の声が聞こえ始めて、揚げ物のようないいにおいがぼくを誘う。  ごちゃごちゃ混み合った看板をずらーっと眺めながらしばらく歩いて、ぼくはいつもの見慣れた場所にたどり着く。  『拉麺』  筆で、どでかく描かれた看板。 なんだか曲がりに曲がった線が組み合わさっていて、これが芸術というものなのか。嫌でも目に入る。 「あ!なつめだ、おはよー!」  ぼくに挨拶をしてきたのはこのらーめん屋の店主であり、獣人種のアリザだ。  ぼくは店の脇でゲームに勤しむ慣れた顔に軽く挨拶してから、アリザのところへ行く。 「アリザ、相談があるんだよ、ちょっとぼくの家まで来てくれないか?」 「え?え!なに、まさか…告白!?」 アリザは芝居の奥でニヤニヤしながらキツネみたいな耳をピンとたててぼくをからかう。
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