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くだらないやり取りをしているのを見かねたのか、レイ君がささっと女の子の隣へ寄る。
すると、女の子はレイ君の髪の毛をさわり始めて、自分のと比べている。見た目は違っていても、相手が自分と同じ種であることは何となく分かるのだ。
女の子がまた髪をさわろうとしたのをレイ君は器用にかわして質問を投げかける。
「名前は。」
「………ミラ。……あなたは?」
「レイ。さっきのキツネ耳がアリザ。もうひとつ聞いていい?」
「なあに?」
「どうして昨日この兄貴の名前、呼んでたの。」
「…わかんない。」
「そっか。ありがとう。」
「兄貴、身に覚えがないなら勘違いじゃないの?」
「そんなこと無いと思うけどなぁ。」
確かに、"ミラ"という少女は昨日ぼくの名前を呼んでいた。
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