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 女の子を家に運び、急いで手当てをする。きっと、向こうの街 では専門の人がいるのだろうけど、生憎こちらでは自分達で何とかするしかないのだ。  傷口を見ると、白いわき腹が裂けていて、華奢な体つきからは想像もできないほどの血が出ている。  手当てが終わる頃には2時をとっくに過ぎていた。 「ふぅ…おわった…」  どっと疲れがわいてきたが、眠気はまったくない。  ふと、ぼくは女の子の方を見た。透き通るほどに白い肌、小さな唇。とても整った顔立ちをしている。  こんな少女でも、平気でこの街に放り去ってしまう大人たちの残酷さをぼくはひしひしと感じた。
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