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第14章 浮かれ王子と戸惑い姫(続き)
しかし彼は、決して那々を追い込むことはしなかった。
少し俯いて押し黙った彼女に「じゃあね」と、そっと声がかかる。
そして、短く言葉を切った彼が、おもむろにスマホをいじりだして、
「ここは、どう?」
見せられた小さな液晶画面に映るのは、
小振りの遊園地に隣接する大きなショッピングモール。
しかし、
「あの、何かお買い物でもあるんですか?」
尋ねた那々に、彼はゆっくりとかぶりを振った。
「でもね、一緒にしたい事を思いついたんだ」
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