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いや、聞くまでもない。何しろ、恋人同士なのだ。とっくの昔に、なめたに決まっている。
俺は落胆した。この五年間、彼女はおろか友達も作らず(作れず)、ハルカに俺の(…………)をなめてもらうことだけを夢見て、これまで生きてきたというのに……。
「ど、どうしたの、コウセイ君? そんな急に暗い顔して……」
……いや、違うな。
違うぞ俺よ。もっと柔軟な発想を持て!
考えてもみろ。ハルカに彼氏がいることと、俺の(…………)をなめてもらうこと、両者に一体なんの関係がある?
いいじゃないか! たとえ彼氏がいたって、なめてもらってもいいじゃないか!
奴の(…………)と張り合う必要もない。たとえ形や大きさや味で負けていたって、俺は俺の(…………)に誇りと魂をかけて、ハルカになめてもらえばいい! そうしてハルカにもよろこんでもらえばいいんだ!
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
頭の中の何かが振り切れ、俺はたちあがった。なめてもらう決意と覚悟を胸に、たちあがった。
「ど、どうしたの!? さっきから変だよコウセイ君!?」
「ハルカぁ! 五年前の約束、覚えてるかぁ!」
「約束……?」
ハルカは、きょとんとした表情を浮かべた。
「“すぐ帰って来なかったら、俺の(…………)をなめてもらう”という約束だぁ! よもや忘れたとは言うまいなぁ!?」
「あ、あれは子供の頃の約束で……。そんなの……」
うろたえるハルカを見かねて、俺は黙ってズボンから、茶色くてカチカチに硬い(…………)をあらわにした。
「ま、待って、私、苦いものは嫌いだし、心の準備が……」
「問答無用!」
涙目になっているハルカの口に、俺は容赦なく(…………)を突っ込んだ。
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