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「ねぇ!雪!めっちゃ雪降っとーよ!?」
少女は本から庭へ視線を移し、はしゃぐ様に向かいに座する男に声を掛ける。
「ただの雪だろ?なんでそんなにテンション高いんだ...」
男は少女の満面の笑みにゲンナリしつつ答えた。
「だって雪ばい?外で遊ばんと!?」
「ヤダ、寒い」
「良いやん!いこーよ!」
少女は頑なに動こうとしない男の腕を引っ張り、外へと誘う。
「一人で行けば良いだろ」
「寂しいやん!」
「俺は絶対行かないからな」
男は頑として誘いに乗らず、その場で横になる。
「もー!すかん!」
業を煮やした少女は涙目に不貞腐れた。
(やば、可愛い...)
男は内心そんな事を思いつつ、もう少し少女を困らせたい気持ちを他所に立ち上がる。
「仕方ねぇな...少しだけだぞ?」
「雪合戦は石ころ詰めるんが鉄則っち、バァちゃんが言いよった!」
少女はさらりと恐ろしい事を口にした。
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