第1章

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こいつら本当に刑事か?と心の中で思う洋介。(作者も同意見である。) 「じゃあ何でそう思ったのですか?根拠は何ですか。」 「君、バラは知っている?」 「え?知っていますが。」 「バラをきれいと思うのに根拠がいりますか?」 「い、嫌、事件とバラとは別物でしょ。」 「どこが違うのですか説明してください。」 「うっ・・・」 そんな事、説明できるわけがないと思いながら洋介がそれでも何か反論しようと口を開こうとした時。 「だ、誰か!」 悲鳴が上がった。 「行きましょう!」 洋介たちが駆けつけると、そこには被害者の従兄弟が倒れそばには悲鳴の主であるオーナーがたたずんでいた。                * 「被害者は前野良太さん31歳、前の被害者の従兄弟です、死因はスープに混入されていた青酸カリ。第一発見者はオーナーです。」 「これはあれだな、あれ味見して死んじゃったんだな」 と言ったのは徳井松信という警官だ。 「被害者はいつも味見を?」 「はい、いつも味見していました。」 被害者の奥さんは涙をこらえながら言った。 「いい人だったのにどうして、どうして。」 場は暗い雰囲気に包まれた。                * 事情聴取が終わり、再び一室で意見交流が行われた。 「これは無差別殺人だな。」 松信は言った。 「いや、被害者が味見するのを知っていたならピンポイントで殺せる。」 と洋介 「あんた奥さんの事疑っているのか?」 と文句を言ったのは(洋介の予想していたとおり)健太だ 「そうよ、ひど過ぎよ。」 と、芳子も文句を言う。(これも洋介は予想していた。) 「僕も奥さんだとは言ってない、ひょっとしたら奥さんが誰かに喋っていたかもしれない。」 それに対する健太の反応は予想の斜め上を行った。 「そんな事はない、ありえない。」 「え、何で?根拠は?」 「あんた根拠が好きだね、そんな大事な事をほかの人に言うような人に見えなかったからだよ。」 またそれかよと心の中でつっこむ洋介。(作者も同意見である。) それでも何か反論しようと口を開こうとした瞬間。 「ご飯の時間ですよー。」 オーナーから声がかかった。 「ご飯の時間みたいですね。」 と松信。 「事情聴取の時メニュー見たら美味しそうなのばかりだったんだよ、楽しみだなー。」 と光義 どうやらみんな食べる気満々である。 もうちょっと話し合いたかったがと思いながら、洋介はみんなについていった。
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