プロローグ~記憶喪失の少年~

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暗い 何も見えない そのなかで微かに聞こえる声 「お前の仕事はーーーをーーーーだ。」 何を言ってるんだ… 「失敗は許されない。お前にはそれしかできないのだから。」 お前は誰だ……嫌だ 「失敗したらわかっているな?」 嫌だ…いやだ…イヤだ…… 俺は…僕は…自分は…っ 「私のかわいいーー」 …ぅわああぁぁぁあああ! ーーい! ーおい!大丈夫か!? ~~~~ ガバッ 「はぁはぁはぁ…っ」 勢いよく起き上がり肩で息をする。 見開かれた瞳に映るのは知らない部屋、そして知らない青年の顔。 だいたい二十代前半と言ったところで、肩まで無造作に伸びた銀髪に暁のような真紅の瞳をしている。 「大丈夫か?だいぶ魘されてたが」 心配するような表情で見つめてくる青年。 「俺は…」 「アルシナ森林で倒れてたんだよ。覚えてないのか?」 「アルシナ森林?」 聞いたことのない森だった。 「覚えてないならいい。じゃあ、名前は?俺は暁斗(アキト)・ヴァンフォーレ」 「俺は……」 思い出せなかった。 俺は誰でどこからきたのか、何も。 「まさか、それも覚えてないのか」 そういわれ、うなずく。
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