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――――それからしばらくは何事もない日々が続いていた。
そして転属先でのこと。
「は? 何でお前がいるんだよ」
二人して同じことを言い合う。同じ転属先で、同じ部署。事務と会計の違いだが接触する機会は多いだろう。
「チッ、こんなんなら言わないでよかったぜ……」
そう言いながらもしばらくは楽しめそうな気がしていた。
「そうですよー。またよろしくお願いしますね、指原さん!」
……どうしてこいつまでついてきているのだろう。あまり笑える冗談ではない。
「お前とは絶対何があっても出かけねーからな」
そう言って仕事に入る。慣れない職場、馴染みのある顔。あの頃とは変わらない日常が、今日も続いていた。
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