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「えー、なに?栄ちゃん君執事やってみたいの?着てみる?」
出たな眞城様!にこにこと笑いながら近付いてくる眞城様を威嚇するように睨むと、楽しそうに微笑まれてぽんと肩を叩かれた。
「……いいです」
「遠慮しなくていいのに。慧君も見たいよねー」
「執事服、着れるんですか?」
「予備にいくつか置いてある服をそのまま置いとくのも勿体ないし、別料金で執事服かメイド服を着て撮影できるコーナーも作ってみたんだー。
あ、慧君はメイド服着てみる?」
「え」
「ーっ!」
慧にメイド服?!
そんなの慧に着せられるワケ…け、慧なら木崎様が着てるみたいな大人しいロングスカートの方がいいか。いやでもアキバ系アイドルが着てそうなフリフリヒラヒラな短いスカートも元気な慧には似合……
「っごふっ!!」
「えっ、栄ちゃんが吐血したあああああ!?」
「いや待って慧君。これは多分鼻血だ。誰か拭くもの!」
「栄ちゃああああん!!」
勢い余った情熱が鼻から噴き出し、慌ててタオルのような物を差し出す眞城様と慧の悲鳴をBGMに純白のテーブルクロスを真っ赤に染めてしまった。
「……栄ちゃん君、大丈夫?君もなんか色々大変なんだね…」
からかってごめんね?と、悪気なく本気で心配している表情で俺の顔を覗きこむ眞城様をぶん殴りたい。
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