脇役A君

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ところで、何故俺達がこんな血塗れ&ゾンビメイクで罪深き…いやいや。罪もないカップルどもを脅かしているのかというと、何を隠そう今日は文化祭だからだ。 俺たち2年E組の出し物はお化け屋敷。 クラスに特殊メイクが得意な奴が居てくれたお陰で中々に本格的なお化け屋敷に仕上がっていると思う。 「栄ちゃんが大丈夫って言うならいいけど…無理するなよ?」 「おう」 ああ…慧優しいなぁ… 心配そうに首を傾げる様子が凄い可愛い。ゾンビメイクだけど。 確かに慧は一般的な「可愛い」って基準には達してはいないし、かといってイケメンという訳じゃない、ぶっちゃけ地味系男子なんだけど、今みたいに俺のコト心配してくれるし笑うと人懐っこい仔犬みたいで可愛い。 『相川』と『飯田』で席が出席番号順だった時に話をするようになって、最初は友情だった感情が恋愛に変わったのはいつからだろうか。 それでも、慧はノーマルだからきっと困らせて迷惑になると思って、この気持ちは伝えないようにしようと思ってた。 …駄菓子菓子。 「あ、眞城様」 「うひぇ?!……って、あー…け、慧くん?」 「ういっす。あ、すんませんこんなゾンビメイクで」 こいつだよ。こいつ。
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