脇役A君

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2年S組に在籍する眞城薫(ましろかおる) 生徒会のような役職持ちとはまた違って、生徒に対しての権限は持っていないのだけれど、生徒会に対して意見を言える数少ない特別生徒の一人だ。 実家は金持ちだし成績優秀人当たりも良い。なによりイケメン。 この人を悪く言えば逆にこっちが悪人になりそうな、爽やかでいい人…なんだが、俺はこの人が大嫌いだ。 「てか、お化け屋敷なんだから脅かしてよー」 「あはは、すんません。眞城様の顔を見たらつい声かけちゃって」 「そうだ、あれから色々大丈夫?困ったことがあったらいつでも言ってな」 「はい!姉貴も何も言ってこないから問題ないっす。ただ、明日の一般公開でやってくるから油断はできないですねー」 「そっかー。お姉さんとちょっとお話してみたいなぁ」 「絶対やめたほうがいいです!逃げて!」 「あはははは」 おろおろと狼狽えるゾンビと、爽やかに笑う執事。なにこのカオス。 あーはいはい。眞城様のクラスは執事&メイド喫茶なんですね、イケメンのクラスは展示もイケメンなんですね。 …血塗れの怨霊だけど別に悔しくなんてない。
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