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「それじゃあ、遊びにおいでねー」
にこにこと楽しそうに手を振った後、意味ありげに俺へと視線を向けて、ふっ。と、その笑顔を深めた眞城様は、そのままくるりと振り返ってお化け屋敷を出ていった。
「な、な…」
「いやー。やっぱ眞城様と話すると緊張するわー。愛想の良いイケメンの攻撃力半端ない」
「なんでお前眞城様とあんなに仲良くなってんだよ!」
「仲良いなんて畏れ多い。眞城様がいい人なだけだって」
ダメだこいつ。早く何とかしないと!完全に眞城様になついている…!
あの人が何を考えてんのか解んないけど、何か企んでるような気がしてならない。
慧がなついてるから嫉妬とかそんなちっさい理由じゃ…いやちょっとはあるけど。ただのいい人の親切にしては、なんだか気になる。
E組の生徒に恩を売ったって眞城様に利益があるとは思えないし…だったら、慧自身…?
「…まさかなぁ」
「何が?」
不思議そうな…ゾンビメイクでよくわかんないが、たぶん、不思議そうな顔をしてるんだと思う。不思議そうな顔で首を傾げる慧に、心臓が苦しくなった。
慧が俺のコトを友達だとしか思ってないのは知ってるし、俺の気持ちを無理強いするつもりもない。
でも。
「慧、俺も一緒にいくから」
「ん?うん。解った」
でも、諦めるつもりだってない。
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