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   正気になった時には、絶対思い出したく無い自分の姿は、コウの目にはどう映っているのだろうか。 「一都……もう、ぬるぬる。俺とする日以外は、自分でヌかねぇの?」 「ッ……」 分かっててワザと聞いてくる言葉に、何も返す事が出来ない。 「ふ……聞くまでもねぇか……」 耳元で笑われ、思わず赤面する。 そりゃ、どうしても我慢が出来なくなった時は、自分で慰めている。 けれど、自分以外の誰か――出会った瞬間から大きく心を揺さぶられた相手に扱かれ、イカされるという強烈な快感を経験してしまったら……とてもじゃないけれど、自分でする気にはなれない。 勿論、そこには快感だけではなく”羞恥”という物が合わさっている事実は、否めない事だけれど……。 でも、それさえも忘れてしまえる快感を味わえるのだから、それでも構わないと思ってしまうのだ。 「あっ、あっ、あぁぁっ……コウ、も、もう……」 おれのを握りこんでいるゴツゴツした手。 それが、強弱を付けながら動き出すから……その中で張り詰めているおれの、限界が近づく。 コウとのセックスは、まるで……軽い麻薬のよう。 多分、その背景には、コウに対して恋心が備わっているから、そう錯覚するのかもしれないけれど……。
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