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「ハァ・・・」
自然と溜息。
やっと人を見つけられたと思っ・・・・・ん、人?あれ・・・? 俺と肌の色が全く違う緑肌の彼らは人、なのか?
「っ!」
ズキっと頭に軽い痛みが走った。
「ゴブ!!」
「うぉっ!?」
4人居る内の緑肌の1人が突然、俺に短剣を振って襲い掛かって来た。
不意を突かれてかなり驚いたのに、俺の体は勝手に動きだし、重心を少し横にずらして短剣の刃を躱す。 ビックリするぐらい余裕で避けられた。 緑肌の人(?)の動きがやけにスローに見える。
【気砕波脚】
頭に文字が浮かんだと思ったら、その時にはもう忘れていた。
――体が動く。
長年染みついたクセのように、息をするかのように自然に体が、足が動いた。
スローモーションのように遅い緑肌の人(?)の腹に、蹴りを叩きこむ。
ズドンと、鈍くて太い音が俺の蹴りをくらった緑肌の人(?)から鳴り響いた。緑肌の人(?)は大きく吹き飛ぶわけでもなく、一度だけビクンと体を大きく跳ねさせ、地面に崩れ落ちる。
ぃいっっ・・・・・!
「ゴ、ゴブブ!?」「ゴブゥウ!?」「ゴブゴブ!?」
残り3人の緑肌の彼らは何やら慌てた様子で俺から離れて行く。言葉が分からないし本当によく分からない。
よく分からないけど、そんな事よりも・・・。
「いってぇええええええええええ!!!!」
足がッ、蹴りを放った片足が物凄くいてぇえええ!!
足が粉々に砕ける、割れる、もげちゃう!あばばばばばばば!!
半端ない痛いに耐え切れず、地面に這いつくばってクネクネ体を動かすこと数十秒。
「あばばばばっ・・・・、ふぅ・・・」
ようやく痛みおさまって立ち上がる。
立ち上がって、隣で倒れて微動だにしない緑肌の人(?)の姿がようやく目に入った。
「殺、ヤっちまったぁああああああ!!?」
体が勝手に動いたからなんて言い訳にならない!!俺は人をっ・・・、?
「全く罪悪感を感じない・・・」
何だろう・・・。
『勢い余ってついヤっちゃったけど、だから何?』みたいな感じ。これっぽっちも心が痛まない。
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