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「それに。後悔しても足らないくらいのお返しは、ちゃんと彼らに与えておくから。
君は心配しないで彼女を抱き締めて上げてなさい」
サラッと物騒な言葉を吐いて、部長の電話は切れた。
「何だ。部長も相当頭に来てるんじゃないか」
“穏やかな部長”と“鬼の課長”
一見そんなバランスで保っている我が部署だが。その実、怒らせてはならないのは、あの部長だ。
「そうだな。部長に任せていれば大丈夫だ」
俺には何ができる?
しばらく考えて、宿泊先のホテルに電話をかけた。
今日は何の日だ?そして何のために彼女はここに来た。
優しい彼女は、自分のせいでこんな事になったときっと自分を責めるだろう。
彼女の厚意を無碍(ムゲ)にしてたまるもんかーーー
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