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どうしよう。みーくんの邪魔になっちゃった。
彼の宿泊先のホテルで、こっそり潜入してお誕生日を祝おうと計画を立てていた。
慧ちゃんさくらちゃんや、堀田さんに部長まで手を貸してくれて。
ただ“おめでとう”って言えれば良かったのに、みーくんの取引先の人とモメ事を起こしちゃった。
申し訳なくて涙が止まらない。
「大丈夫よ。あの男はもう居ないし、彼氏ももうすぐ来てくれるわよ」
お店のスタッフの女性が、温かい飲み物を差し出しながら肩を抱いてくれた。
お母さんくらいの年のひとかな。優しくてあたたかく包みこんでくれてる。
「違うんです。か、彼に迷惑かけちゃった」
あの男の酒臭い息や、湿ったいやらしい手を思い出して震えが止まらない。
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