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「迷惑なんか、掛かったっていいじゃないの」
「え?」
宥めるように、肩を抱いたままポンポンと叩いてくる。
「怖かった、嫌だった、もっと早く助けてよって。我がまま言ってうんと甘えちゃいなさい」
「でも……」
ただでさえも迷惑かけてるのに。
「彼にとっての迷惑は、あなたに“大丈夫”って言われる事よ」
「そう、でしょうか」
「あなたは彼が辛い時に、大丈夫って拒絶されたらどう思う?」
そんなの寂しい。
彼が辛いなら、何かしてあげたい。何も出来ないのなら、せめて傍にいてあげたい。
「彼も同じ事を思っているんじゃないかしら」
諭すように、わたしの顔を覗き込んで微笑んでくれた。
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