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「青山さん、午後一番で直しますので出来上がったらチェックして頂けますか?ご迷惑かけてすみません」
カバンを胸にギュッと抱いて、上目遣いに泣きそうな表情で俺を見つめた。
やめろ。その表情に俺が弱いと知っているのか。
「わ、分かった。いいから行ってきなさい」
動揺を隠すために眼鏡を上げながら、彼女の頭を軽く撫でてやった。
「へへっ。行ってきます。慧ちゃんさくらちゃん、待ってーっ」
心底嬉しそうに笑って、頬を染めたまま同僚を追って行ってしまった。
可愛すぎるだろうっ。思わず彼女の後姿を見つめたまま呆けていると。
「かちょぉ。可愛い部下とランチし・な・い?」
堀田が裏声で腕に絡みついてきた。
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