第1章

8/9
前へ
/9ページ
次へ
誰かの感覚が消え、すっと扉が開く 僕は靴を履く事さえ忘れ、駆け出した 辺りは真っ黒で、ただ一つの丘だけが真っ白だった。 あそこが『ヤクソク』 丘の上まで走り抜け、たどり着いたのは一本の木 その下には、一人の少女と一匹の猫。 「やっと来てくれたんだね」 「思い出すまでに時間をかけ過ぎたけどね」 「私はずっと君の事を想っていたのに」 「ニャー」 ワタシもいるぞ、と猫の鳴き声 「そうだね、お前もだね」 少女は笑う。 僕も笑う。 猫はふてくされながら少女に抱き抱えられた 「ねぇ、私とこの子に言うことがあるんじゃない?」 「そうだね、君たちには色々言っておきたいことがあるけど…」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加