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誰かの感覚が消え、すっと扉が開く
僕は靴を履く事さえ忘れ、駆け出した
辺りは真っ黒で、ただ一つの丘だけが真っ白だった。
あそこが『ヤクソク』
丘の上まで走り抜け、たどり着いたのは一本の木
その下には、一人の少女と一匹の猫。
「やっと来てくれたんだね」
「思い出すまでに時間をかけ過ぎたけどね」
「私はずっと君の事を想っていたのに」
「ニャー」
ワタシもいるぞ、と猫の鳴き声
「そうだね、お前もだね」
少女は笑う。
僕も笑う。
猫はふてくされながら少女に抱き抱えられた
「ねぇ、私とこの子に言うことがあるんじゃない?」
「そうだね、君たちには色々言っておきたいことがあるけど…」
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