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それはそのことをぼくは知っていたからなんだけど、
やがてぼくはぼくが良く行く街の本屋の棚の前でガラスの向こうにいるきみの姿を見かけて、
あとはきみがぼくに声をかければ、
きみの方からぼくに声をかけさえすれば、
すべては正しく始まったはずだったし、
始まっていたし、
始まったんだけれども、
けれども、
けれども、
けれども……
ぼくは一人 ああ、
真っ暗な闇の中で
死んでしまったきみの心臓、
探してた
ぼくは一人 星明り痛い水の中で
やっと見つけたきみの心臓、
握り潰した
……グシャ
だって、
そうするしか無かったよ
きみは死んでもキレイ過ぎたから
だって、
それ以外に無かったよ
きみをぼくに戻すためにはね、
ね……
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