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「俺、機械にはあんまり詳しくなくて……」
「え……?」
「……そっか、新しいからいいって物じゃないんですね」
(まぁ、その都度対応はされるから問題ないと言えば問題ないんだけどな)
心の中で思いながら、まだなにか言いたげな優駿の言葉を待ってみる。すると、
「お金のことは、別にどうでも良かったんですけど……」
「はぁ……」
さすが国内有数の大企業の息子と言うべきか。宰のような一般人にとっては冗談か嫌みでしかないような台詞をさらりと告げられ、宰は心底呆れてしまいそうになる。
「でも、言われてみれば確かに俺、今の携帯にそんな不満があるわけじゃないし……」
けれども、そう続けた優駿は妙にすっきりとした顔をしていて、
「そうですよね。やっぱ変更するの、止めておきます」
「……そ、うですか」
「はい、お話聞けて良かったです」
その結果、驚くほどあっさり前言を翻してしまった素直さには、不覚にも毒気を抜かれてしまった。
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