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去年のようにヴァイオリンが弾けるようになるにはかなりの時間がかかる。リハビリだけでもかなりの時間が必要だろう。それなのに音大付属に入学するなんて…
「確かにどこの高校でもコンクールでの実績は重視されるでも、教師に教えたいと思わせる事も重要な事だよ」
「でも…」
突然君の顔が頭に浮かんだ。
君も私にピアノを弾けって言われた時こんな気持ちだったのかな。期待されるのってこんなにも怖いんだ。無理だって思っちゃう。
でも君は私を信じて弾いてくれた。だったら私が私を信じない訳にはいかないよね。それに私は君と同じ演奏家だもん。弾ける機会と聴いてくれる人がいるのに弾かないなんてダメだよね。
「私、奥津音大付属に行きたいです」
「本当かい!?だったら直ぐに書類を用意するよ」
「でも病気の事があるのでお父さんとお母さんを説得しないと」
「そうだね。いつご両親にお話出来るの」
「いつも6時過ぎには来てくれるのでその時に話します」
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