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呼び止められて、振り返るとそこには知らない女の子がいた。 俺を見上げて、顔真っ赤。 またかー。 高校に入ってまだ二ヶ月なのに、何人目? 俺に声かけてくる女子。 校舎で1人になると、どこからともなくやって来るから怖い怖い。 パターンは決まってる。 1 ひと気の無いところで呼び止める。 2 俺を上目遣いで見上げて顔を赤らめる。 3 告る 「上原くん。付き合ってください!」 ほら告った。 話したことも無いのに、信じられなーい。 俺、すっごく悪い人かもよー。 最初のうちは丁寧にお断りしてたけど、 丁寧だと、なかなか納得してくれない。 雑にしたいけれど、 いい顔したい俺もいる。 「俺、女に興味ねぇから」 「えっ、お、男の子に興味あるんてすかっ!」 あー、面倒くせぇ。 担任に頼めれたノートの山を両手で抱えて、 重たくて、それだけでも不機嫌なのに、 上塗りするなよなぁ。 「ああ、男の方が、いいね」 吐き捨てて、職員室に向かう。 今日は雑モードでごめんなさい。
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