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第1章 悪魔通信
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あの事件から、何日が経ったのだろう。
ボロボロになった心の傷も、少しは癒えたかに思われた。
それもこれも、離婚した元妻の思いやりと、我が子の無邪気な笑顔が、あったからに違いない。
元妻である真由子は、まるで自分の事の様に心を痛め、心底心配してくれたのである。
僕の精神状態が不安定な事を気遣い、携帯電話のメールで元気付けてくれる。
そんな毎日が続いていた。
美容室の店長という仕事柄、夜晩くまで忙しいにもかかわらず、僕の為に時間を作り、たびたび手料理で持て成してもくれた。
真由子とは、戦友の様な感覚で、性別を超えた、友情という絆で結ばれていた。
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