第2章 恋に堕ちて

3/20
前へ
/39ページ
次へ
それでもクリスチーナは、成長するにつれ、母の血に誇りを持ち、日本という国に対して、憧れさえも抱くようになっていった。 そんな、17歳の秋・・・ クリスチーナは、この僕と廻り逢った。  その頃の僕は、仕事に悩んでいた。 一流デザイナーを夢見て、上京したものの、未だに芽が出ず。 25歳になっても下請けのパタンナーでは、もう手遅れかもしれないと焦っていたのだ。 そして、その焦りが、僕をある行動へと奮い立たせた。 自分の勤める会社の取引先である、デザイナーK氏のパリ・コレクションに、スタッフとして同行することを決意したのだ。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加