イチ。

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二次面接、だった。 三分の一は書類落ちで残るほとんどが一次面接落ちだった私は、二次の機会を与えられただけでもありがたいと思わないといけないのだけど。 正直、本気で受けている会社ではなかった。 ――ここじゃ、一生一人で食べてはいけない。 一度収まってしまえばもう二度と求職活動などごめんと思っていた私にとって、定年まではとても働けなさそうなショールーム受付という職種とそれなりの給与を提示しているこの会社は決して本命じゃなかった。 希望はバックオフィスだ。 客前に出るような仕事や体力勝負じゃなければ、おばあちゃんになっても働ける。 ならなんで受けたかと言えば、内定が一個欲しかった、ただそれだけ。 ブランクがあるとは言っても経験の長い業界だったし、待遇面で高望みして応募している他の企業とは違う。 年齢で足切りさえされなければ受かる自信はあった。 自分は無価値ではない、内定一個もらうことでそう思い直すことさえ出来れば、この会社はもう用無し。 そんな不遜な考えで臨んだ私を、二人の面接官が出迎えた。 三十代後半から四十代前半くらいの、すっとした爽やかなイケメンと。 四十代後半くらいの、少しくたびれた――否、負のオーラを背負ったオッサンだった。
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