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「そう言えば今日、巡察中に助けた女の子にこんなんもらったんだけどさぁ…」
ふと思い出したように、彼、藤堂平助がガサガサの胸元を探りながら言う。
ここにいるメンツ全てが彼の持つ物に注目した。
不逞浪士が蔓延るこの京の都では、巡察中に浪人に絡まれた者を助けることがそう少なくはない。その者は、今回のように手厚くお礼をする者と助けられた身でありながら怯える者、悪態を吐きながら逃げるように去っていく、2つの種類に分けられていた。
今回はその前者である。
しかし大抵は礼ともらうものは饅頭など、そういった物だ。
「なんで巻物なの??」
解せない品に一番組組長、沖田総司が反応する。
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