第1章

1/11
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ

第1章

「ワタシが動かなくなっても、必ず生き延びて下さいね。約束ですよ」 むかし、大好きだった女性が最後に言った言葉だ。 栗色の優しい瞳が特徴的で、15年以上前といえど、彼女を包むおおらかな雰囲気は鮮明に覚えていた。 あの時感じていた腕の激痛も和らぐ程、突然に交わされたあの約束。 僕は、未だに果たせてはいない。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!