第1章

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第1章

「ワタシが動かなくなっても、必ず生き延びて下さいね。約束ですよ」 むかし、大好きだった女性が最後に言った言葉だ。 栗色の優しい瞳が特徴的で、15年以上前といえど、彼女を包むおおらかな雰囲気は鮮明に覚えていた。 あの時感じていた腕の激痛も和らぐ程、突然に交わされたあの約束。 僕は、未だに果たせてはいない。
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