魔術

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「確か、この本だったはず・・・。あった!」 間違えないように。 忘れないように。 わざわざこの栞を挟んでおいたのだ。 読書家の彼が使っていた栞。 リビングのテーブルに置いたままになっていた本から、そっと抜き取った栞。 これを使えば、効果は絶大だと思った。 「あれ?挟んでいた栞がないぞ。落としたか?しまった、どこまで読んだっけ?」 首を傾げる彼に申し訳ないと思いながらも、可愛らしくてクスクス笑ってしまった。
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