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「止まない雪はねえですからいましばらくご辛抱を」
「…ないのかしら、止まない雪は」
「明け方には止むようで。こんな宿に足止めされて、さぞ退屈でしょう」
「わたし、そんなこと少しも」
「せめて気のきいたことが言える話し相手でもいればなあ、あっしみたいな木偶の坊じゃなくて…よし、薪足したんでストーブも一晩中あったけえ」
「…ねえ、ちょっと人払いしていただけません?」
「あ、それじゃ給仕の者にそう伝えて…あっしは外で薪でも割ってきましょう」
「違うの、あの…」
「?」
「二人きりで…お話したいの」
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