第15章 一番好きな人

4/26
前へ
/26ページ
次へ
「……っ!」 だけど可偉人は出て行かなかった。 むしろ心を決めたかのように 「静っ……」 勢いをつけ 僕の所へ駆け寄ってきた。 嘘だろ? どうするつもりだ――。 胸を突き破りそうなほど 心臓がバクバクと高鳴る。 それはきっと 可偉人も同じだ。 「大丈夫……もう大丈夫だからっ……」 可偉人は両手で僕の頬を包み込むと 今までになく緊張した面持ちで言った。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

89人が本棚に入れています
本棚に追加