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「うち手前の赤髪にするわ。ヒロは窓側の男ね。絶対裏切らないでよ?」
「え……?」
私がボンヤリと考え事に耽っている間に、状況は変化していた。
二階席を仕切る手すりから身を乗り出し、階下に手を振る彩香。
その視線の先を追ってゆくと、一階のカウンター席の角に座る二人組の片割れの男が、こちらに笑顔を向けていた。
「ちょっと、彩香やめてよ。私、そんな気分じゃ無いから」
「あ。マジ?でも、もうキャンセル無理かも」
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