4894人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
その日から、私の生活は一変した。
結城リゾートが経営する巨大テーマパーク、世界遺各地に点在するホテル、デパートを視察と称して着いて回った。
表向きでは、私は副社長付きの秘書。
勿論、働いた事など一切無い。
彼の会社は不動産業でも幅を利かせているらしく、私に都内の高級マンションを一部屋ポンっと軽くプレゼントしてくれた。
洋服、宝石、家具に生活用品……
その全てが聞いたこともない海外ブランドで揃えられ、これでもかと手渡されたのはブラックカード。
『これで、好きなようにしなさい。』
その言葉は、私と彼の契約の成立を意味した。
─────つまり、愛人。
愛があるのかは不明だが、それ以外にこの関係の呼び名は見付からない。
最初のコメントを投稿しよう!