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まだ、吸い始めたばかりの煙草の火を灰皿に押し付けて、ベッドに横たわり愛しそうに私の名を呼ぶ男の元へと駆け寄った。
「もう、一度。その美しい瞳に僕を映してくれないか……?」
「ふふっ……。ええ、勿論。」
クサ過ぎる台詞に内心苦笑い。
そんな事にも全く気がついていない彼は、私の背中に手を回し……ソッと自らの方へ引き寄せた。
「君の瞳は見ればみる程吸い込まれてしまいそうになるよ。深いブラウンに、淡いグリーンを溶かしたような……不思議な色をしているね。」
「私のひいお婆さんの旦那さんが西洋の人だったらしいの。もしかしたら、その血が残っているのかもしれない……って、母が昔話してくれた。淡褐色……、ヘーゼルとも言うみたい」
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