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「いいや……、知らないね。髪の毛、一本一本から足の先まで美しく、可憐で、厭らしい。こんな女性は……今まで、見たことが無いよ」
「……誠さ、ん……ダメ。汚いっ……から」
私の左足を口元に寄せ、彼が指と指の間をしゃぶる。
嫌がる声には耳も貸さず、一心不乱に……。
「君に汚い部分なんてある訳が無いだろう?この、身体に傷でもつけようモノなら……、私の会社を担保にかけても払いきれない額の賠償金が発生するんじゃないか……?」
クツクツと聞こえた低い笑い声に、私はハッと我に返り体を起こした。
「傷の一つや二つどうって事ない。それよりも、会社を手離す事の方が嫌。だって、私の毎月のメンテナンスが出来なくなるじゃない」
美容院、エステ、ネイルサロン等々……
女を維持するには、なにかと金がかかるのだから。
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