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深い深い森の中、雌を見つけた野生の獣のような目付きで、彼が私の上に覆い被さる。
「………………っ」
一度も触れられてはいないというのに、その場所は……熱くなった彼をいとも簡単に飲み込んでゆく。
「ずっと、こうしていたいよ……」
「そんなの……私が我慢出来ないっ……」
涙に濡れた瞳で見上げると、吐息を漏らす私の額に落とされる彼の唇。
私が望んでいるものは……、そんな行為じゃないと首を横に振って主張した。
「君は……、どこまで私を溺れさせれば気が済むんだい……」
「あっ…………」
溺れてもいいけど、自力で戻って来てね。
そう思いながらも……
私自身。
泳ぎにはちっとも自信が無い。
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