第1話

人間について

・人間の才能の平均値は皆同じ

　学生時代、何でもそつなくこなす人がクラスに１人はいたんじゃないだろうか。

　何をやってもほとんど失敗する人もいたんじゃないだろうか。

　前者は周りから何でもできると褒め称えられ、後者はもう少ししっかりしてと貶される。

　ここで少し考えてみた。

　前者は何でもできるが、飛び抜けて何かが上手、というわけではない場合もある。野球は上手いけど、野球部のレギュラーたちには負けるかな、といった感じだ。

　後者は何をやっても上手くはいかないが、実は何か特技があったりする場合もある。某アニメの、勉強も運動もできないがあやとりと射撃は超一流な主人公を想像してもらえばいい。

　例を見てもらえば分かるように、表立って見えないだけで、皆それぞれに長所があり、短所があるものだ。

　才能の能力配分なんてその才能を使う時までは分からない。

　だから運動も勉強もできず、ろくにコミュニケーションも取れやしない。だからこいつはダメな奴。そう決めつけ、迫害するんじゃなくて、何かその人の持つ才能を見つけて引き延ばしてあげる手伝いをする方がよっぽどいいんじゃないだろうか。