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そして、しばらく何もせずに納めた後の蠕動はすこぶる快感が深い。
男の身にしてみれば、反射的な性衝動を堪え、且つ、その部分の強度を保たなくてはならないという苦行だが、以前付き合っていたカノジョにポリネシアンセックスというプレイを求められ、修行僧さながら応えた時には、達成感も相まって、突き抜けるような絶頂を得た。
とはいえ、まだ血気盛んな二十代の俺には気の長過ぎる話で、そのカノジョとは、自然に疎遠になった。
話が少し逸れたが、問題は長時間の挿入だ。
電車の小刻みな揺れは加わっていても、状況的に大きく突き上げることは無理だ。
そこでやってくる、大きなカーブ。
長い挿入によって感度が高められたその場所を、カーブの遠心力に乗じて、ここぞとばかりに突き上げられることだろう。
俺はどういうわけか、その地点に至るまでに、色白の男の口を塞がなくてはならないという謎の使命感に駆られている。
今、強く突かれてしまったら、きっと彼は喘ぎを漏らしてしまう。
上司のものがどんなにコンパクトでも、彼の紅潮した頬が少なからず快感を得ていることを語っている。
それが深く身体の中を貫くことで、最悪、彼は、一日の始まりにスーツを白濁で汚してしまうかもしれない。
それだけは、なんとなくどうしても避けたい。
しかし相手は冴えなくても俺の上司だ。
不本意ながら、ボーナスの査定だって、この男の采配にかかっている。
――でも、だけど。だからこそ。
恍惚に引き攣らせた綺麗な顔が気になる。
正直俺は、どう考えたってホモじゃない。
カノジョだって、今はいないが大体いることの方が多い。
でも、どういうわけか気になって仕方がない。
同じ男なのに壮絶な色香を放っている色白の男。
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