1-捜し物
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男が薄暗い店内に入ると探るような視線が集まった。 だがそれも一瞬。 ここにくるものは皆、なにかから隠れていたり、何事にも関心がないようなものばかりで、積極的に新参者に声をかけるものなどいなかった。 男自身も虚ろな目をしていて、周りの様子など気にもとめていなかった。 店の奥には古びた水晶を抱えた老婆が、薄暗い壁と同化しているかのようにすわっていた。 その老婆は男が近づくと突然くくっと笑いだした。
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