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森は鬱蒼としていて昼でも暗く、澱んだ空気が辺りを包んでいた。
そんな場所に好き好んで入っていく人間はいないと思われ、それゆえ奥に進むたびにゴブリンなどの魔物が姿を見せる。
やつらは迷いこんだ小動物をもてあそび、飽きたらその命を食らう。
当然、なんの力のない人間はやつらの格好の獲物なわけで…当たり前のように男に襲いかかっていった。
「ぎゃ!」
バチンと弾くような音とともに、ゴブリンは甲高い悲鳴をあげると、地面に落ちてのたうちまわった。
弱ったそいつに群がる仲間。
断末魔が森に響く。
そんな様子にも男は興味なさげに一瞥しただけだった。
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