1-捜し物

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森は鬱蒼としていて昼でも暗く、澱んだ空気が辺りを包んでいた。 そんな場所に好き好んで入っていく人間はいないと思われ、それゆえ奥に進むたびにゴブリンなどの魔物が姿を見せる。 やつらは迷いこんだ小動物をもてあそび、飽きたらその命を食らう。 当然、なんの力のない人間はやつらの格好の獲物なわけで…当たり前のように男に襲いかかっていった。 「ぎゃ!」 バチンと弾くような音とともに、ゴブリンは甲高い悲鳴をあげると、地面に落ちてのたうちまわった。 弱ったそいつに群がる仲間。 断末魔が森に響く。 そんな様子にも男は興味なさげに一瞥しただけだった。
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