ある老いた男の手記

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ここに、ある老いた男の手記がある。 100 年以上の月日にさらされ、ボロボロになっているものの、 幸い文字は判読可能だ。 現在の状況に至るまでの歴史を、非常に的確に記してある。 以下は、その抜粋である。 『21XX年、南極の氷が全て溶けた。太陽の活動が活発になったらしい。 陸地の 8 割は海下に沈み、海の表面積が増えたことで、海面からの蒸発量は増加、 ゲリラ豪雨のような雨に見舞われる機会が多くなった。』 『南極の氷塊に閉じ込められていた、古代の生物の卵が羽化し、優れた環境適応能力を発揮。 この数十年で、見たこともない奇っ怪な生物が、既存の生態系を飲み込んでしまった。』
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