必要とされたかった

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私は、ごく普通の女子高生。 ママとパパ、そして弟の4人家族で、 ごく普通に幼稚園、小学校、中学校って通ってきて 特にやりたいこともないから、制服が1番かわいいところの高校を選んで。 それなりに、おしゃれしたりもする。 顔は普通より良いかなあって自覚してる、けど それじゃあだめ。 そんなんじゃ、ちょっとかわいい女の子っていうだけで 学校の中で「私」っていう存在が埋もれちゃって 私の存在する意味がなくなっちゃう。 だから、もっとかわいくてみんなから親しまれる子にならなきゃいけない。 メイクして、髪の毛だって染めた。 また、違う自分を作り上げた。 自分が嫌だった。 弱虫だから、すぐ泣くとこも お腹減るといっぱい食べちゃうとこも 些細なことで、すぐ怒るとこも 全部。 自分の中に隠した。 真顔が怖いって言われたから毎日笑顔でいるし、 そのせいでふざけてるみたいって言われちゃうこともあるけど 笑顔でいたらみんな笑顔でいてくれるし。 辛くても笑うんだ。 いつからだろう、もう忘れたけど。 小学校のころ、脚が速くて徒競走は1番で 運動大好きだった。 運動し過ぎてたから、凄い痩せてたし、 身長も男の子にも負けなかった。 でも、それじゃあ可愛くない、とか 調子乗ってる、とか言われたから わざと遅く走ったり、出来ないふりした 今じゃ、もう本当に走るの遅いし、出来ない事も沢山だけど、 女の子にはその方が共感もって貰えるし。 ただ、身長は変わらなかった。 体重もかわらなかった。 だから、沢山食べて、皆の中の「普通」になりますようにってお祈りして 痩せてるねって言われないぐらいになった。 でも、沢山食べた分、成長期だから ぐんぐん身長も伸びた。 高校生になった今でも男の子と変わらないぐらい。 伸びないでっ伸びないでって凄く思ってたのに 神様はいじわる。 これじゃあ男の子にも嫌われちゃう
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